家族の話 【感動する泣ける短編】恩師の未送信メールを受け取り直す、印刷所スタッフの物語
工場の休憩室には、いつも少し古びた昼休みが残っている。白い蛍光灯の下で、角の欠けたテーブルが鈍く光っている。自動販売機は低い唸り声をやめず、流し台のそばには、誰がいつ置いたのかわからない紙コップがひとつ、口を開けたまま置かれている。壁の時計は数分遅れているのに、誰も直さない。工場という場所は、正確さでできているくせに、こういうところだけ妙に大雑把だ。私はその休憩室が、嫌いではなかった。