泣ける話 終点までのあいだ
山あいの町の朝は、平地より少し遅れて明るくなる。 谷の底へ光が落ちてくるまでに、いくつもの屋根と木々の影をくぐるからだろう。 そのせいか、町全体が目を覚ますのにも、少し時間がかかる。 味噌屋の煙突から白い湯気がのぼり、郵便局の前に赤いバイクが出て、川沿いの道にだけ先に日が差す。
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