家族の話 【感動する泣ける短編】祖母のラジオと録音が導く、夜のスタジオの物語
夜のスタジオというのは、少し海の底に似ている。外ではまだ車が走っているし、コンビニの看板も白々しく光っているのに、分厚い防音扉を一枚閉めると、世界の音が急に遠くなる。赤いオンエアランプだけが、小さな生き物みたいに点っている。ミキサー卓のつまみは夜光虫みたいに並び、ヘッドホンの奥では、誰かの声が暗い水の中をゆっくり泳いでいく。私は地方ラジオ局でADをしている。三十二歳。
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泣ける話
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