泣ける話 祖父のしおり|記憶と後悔をたどる泣ける短編
祖父が死んでから、私は人に本を返してもらう仕事をするようになりました。 図書館司書、という呼び名は、いくらか知的で、いくらか静謐で、そして実際より少し立派に聞こえます。 ほんとうのところは、返却期限を過ぎた本に督促状を出し、破れた頁に薄い補修紙をあて、誰かの忘れていった栞やレシートを抜き取って、棚の秩序を元に戻す仕事です。 図書館司書、という呼び名は、いくらか知的で、いくらか静謐で、そして実際より少し立派に聞こえます。 ほんとうのところは、返却期限を過ぎた本に督促状を出し、破れた頁に薄い補修紙をあて、誰かの忘れていった栞やレシートを抜き取って、棚の秩序を元に戻す仕事です。 私はこの仕事が好きでした。