家族の話

家族の話

亡き祖母の落とし物タグが、私の勘違いをほどいた夜

雪国の駅というものは、音が少ないくせに、妙に記憶だけは残る。列車のブレーキの軋み。ホームの端で鳴る、鈍い風の音。濡れたマフラーから落ちる雫の音。昔は改札鋏がもっと硬い音を立てていたことまで、私は覚えている。三十八になった今、私はその駅で駅員をしている。