家族の話 からっぽの弁当箱
商店街の朝は早い。 早いくせに、どこか寝ぼけている。 魚屋のシャッターが半分だけ上がり、八百屋の親父がまだ青い声で咳をし、うちの弁当屋の前には、昨日の風に飛ばされてきた枯葉が二、三枚、妙な遠慮をして残っている。 私は毎朝、それを箒で集める。 集めながら、この町はずいぶん小さくなった、と思う。 子どもの頃は、もっと大きかった。 大きいというより、出られないものだったのかもしれない。
家族の話
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