財布

泣ける話

祖父の財布は、私の明日を守っていた

祖父のことを、私はずっと、けちな人だと思っていた。  言い方は悪いが、ほんとうにそう思っていたのだから仕方がない。  子どもの頃、団地の下の駄菓子屋へ連れて行ってもらっても、「百円までだ」ときっちり言う人だったし、自動販売機の前でジュースをねだれば、「家で麦茶飲めばいい」と真顔で返された。