手紙

泣ける話

母の伝言メモと、返せなかった「ごめん」

母が島へ来ると言い出したとき、私は反対しようとして、やめた。反対できるほど、親孝行な息子ではなかったからである。いや、正確に言えば、反対する資格がない気がしたのだ。三年前、本土での仕事を辞め、逃げるようにこの離島へ渡った。季節だけ働いて、金が少したまったらまたどこかへ行くつもりだった。
泣ける話

返事の遅い手紙

玄関の靴箱の上に、見知らぬ封筒が置かれていた。白い封筒。差出人の欄だけ、空白。宛名には、僕の名前が、僕の知らない字で書かれている。読めるのに、読めない。そんな字だった。僕は郵便局で働いている。一日じゅう、誰かの“用事”を運んで、帰り道に自分...